業界動向 | 2024年を振り返ることは、2025年を見据えた最初の一歩です。
2024年は、金融市場の最大の注目点は「FRB(米連邦準備制度)がいつ利下げを開始するのか」という点でした。そして、この起伏に満ちた12カ月を経て、FRBの利下げサイクルがついに始まりました。現在、投資家の関心は2025年の利下げ幅や、1月20日にトランプ氏がアメリカ大統領として正式に就任した後の政策運営に移っています。
今年も終わりに近づく中、本記事では2024年の10大経済イベントを振り返ります。政治的な動向、中央銀行の政策、そして株式市場の革新を取り上げ、投資家が2025年の取引戦略をしっかりと計画できるようサポートします。
1. 日本銀行 予想外の「利上げ」
2024年7月末、日本銀行(日銀)は予想外に基準金利を0%から0.1%の範囲から0.25%へ引き上げました。これは2024年に入って2回目の利上げとなり、これにより円キャリートレードの解消が進みました。その結果、日経平均株価は8月5日に12%以上の急落を記録し、「ブラックマンデー」と呼ばれる事態を引き起こしました。
この日は世界市場が大きく揺れ、アジア株式市場も全面的に下落しました。インド、オーストラリア、シンガポールの株価指数はそれぞれ下落を記録しました。米国市場も大幅下落し、ナスダック指数は1000ポイント以上、率にして6.34%の暴落。S&P500は3.65%の下落となりました。
業界動向 | 2025年の展望
これを機に市場関係者は日銀の動向に一層注目するようになりました。2025年においても日銀の政策が市場に大きな影響を与えると見られています。2024年の最後の利上げ決定後、植田総裁は「現在の日本の実質金利は依然として低水準にある」とし、「国内の経済や物価の動向が日本銀行の予想通りであれば、今後も追加利上げを行う」とコメントしました。
2. FRB(米連邦準備制度)、4年以上ぶりに利下げ
2024年9月、FRBは連続利上げの流れを転換し、2020年3月以来初となる利下げを発表しました。特筆すべきは、FRBが異例の50ベーシスポイントの大幅な利下げを行い、緩和サイクルの幕を正式に開けたことです。この発表は市場に楽観的なムードを広げる要因となりました。
業界動向 | 2025年展望
2024年最後の利上げ決定後に発表された最新の予測によると、FRB当局者たちは2025年には利下げの回数を減らす見込みを示しています。もし経済が安定的に成長し、インフレが引き続き低下すれば、大多数の当局者は2025年に2回の利下げを予想しています。一方、9月の見通しでは、2024年には約4回の利下げが行われるとの見方が示されていました。
3. トランプ氏、再びアメリカ大統領に
bb2024年11月6日、2024年最大の注目イベントの一つが幕を開けました。この日、トランプ氏がハリス氏を破り、再びアメリカ大統領に就任することが決定しました。勝利演説では「米国の黄金時代が始まる」と宣言し、米国の金融市場は沸き立ちました。ドル指数は1.69%急騰し、米国の主要株価指数3つはいずれも取引中に史上最高値を記録しました。
業界動向 | 2025年の展望
短期的な熱狂が収まると、市場の関心はトランプ氏の内閣人事や政策方針に移り、それが2025年の米国経済と株式市場に与える影響を注視するようになりました。トランプ氏は反移民政策、減税、輸入関税の増加といった政策を掲げており、これらの政策がインフレの上昇を引き起こす可能性が指摘されています。
2024年は「歴史を作る」年とも言え、私たちはその「歴史的な新記録」を振り返ります。
4. S&P500 年内で57回の最高値を更新
2024年、米国市場の強気相場は続きました。12月16日の終値時点で、S&P500は年初来で27.34%上昇し、57回も最高値を更新しました。ナスダック指数は年初来34.39%上昇し、指数は2万ポイントの大台を突破しました。また、ダウ平均株価は15.99%上昇し、2024年末には一気に6000ポイントを突破しました。さらに、今年はMeta、Amazon、Apple、Teslaといった注目のテクノロジー株が次々と株価の過去最高値を更新しました。
業界動向 | 2025の展望
ウォール街の機関投資家は、2025年の米国市場に対して概ね楽観的な見方を示しています。市場では、S&P500が2025年に6600ポイントに到達できるかどうかが注目されています。アナリストは、来年もテクノロジー株の上昇が期待されるものの、他のセクターとの上昇幅の差は徐々に縮小すると予想しています。これは、収益性の格差が徐々に縮まるためと考えられています。
5. ゴールド価格が史上最高値を更新
2024年10月30日、ゴールド先物価格が史上最高値を更新し、取引中に一時2801.65ドルに達しました。また、ゴールド現物価格も一時2790ドルを突破し、同様に歴史的な高値を記録しました。さらに、世界黄金協会が発表したレポートによると、2024年第3四半期の金需要総額が初めて1,000億ドルを超え、こちらも新たな記録を樹立しました。
業界動向 | 2025年の展望
多くの機関が2025年も金価格の上昇が続くと予測しています。例えば、ゴールドマン・サックスは2025年初頭までにゴールド価格が1オンスあたり2900ドルに達し、さらに来年12月には3000ドルに到達すると見込んでいます。
6. AI関連株が好調、新たな勢力が台頭
2024年の米国株式市場では、AI関連の概念株や関連する半導体、チップセクターが引き続き高い注目を集め、多くの銘柄が大きく成長しました。NVIDIAはその確かな実力で株価を堅調に伸ばしましたが、一方でSoundHound AI、Applovin、Palantirといった銘柄がNVIDIAを凌ぐ上昇率を記録しました。
12月16日終値時点のデータによると、SoundHound AIの年初来上昇率は820%を超え、Applovinは763%、Palantirは341%、NVIDIAも166.55%の上昇を遂げました。
業界動向 | 2025年の展望
バンク・オブ・アメリカの分析チームによる最新レポートでは、2023年以降の「米国株式市場の長期的な強気相場」を支える重要な原動力の一つが半導体株であると指摘されています。2025年もこのセクターは資金流入が続き、再び「猛烈な強気相場」を引き起こし、市場の絶対的な注目を集める可能性が高いと予測されています。
7. 米国のマネーマーケットファンド規模が過去最高を記録
投資会社協会(ICI)のデータによると、2024年10月9日までの1週間で約110億ドルが米国のマネーマーケットファンドに流入し、総資産規模は記録的な6.47兆ドルに達しました。JPモルガンは、9月にFRB(米連邦準備制度理事会)が基準金利を0.5ポイント引き下げたものの、マネーマーケットファンドが引き続き資金を引き寄せている理由として、その利回りが他の金融商品、特に銀行預金を上回っていることを挙げています。
2025年の展望
アナリストは、FRBが9月に利下げサイクルを開始したことで、高金利時代が終わりを迎えると予想しています。その結果、マネーマーケットファンドに預けられている資金は新たな運用先を模索し、株式市場に流れ込む可能性があります。しかし、資金の動きは経済環境や利下げのペースと規模に大きく左右されると考えられます。
8. 世界の政府債務が史上最高を更新
2024年、世界各国の政府債務は拡大を続け、3月末時点でその総額は91.4兆ドルに達し、前年比で5.8%増加し、過去最高を記録しました。この急増の主な理由は、2024年が選挙の多い年だったことにあります。世界で70カ国以上が国政選挙を実施し、多くの国が選挙期間中に拡張的な財政政策を採用したため、債務規模が拡大しました。
業界動向 | 2025 年前景
経済学者は、各国がこれまでにないペースで債務を積み上げていることにより、将来的に世界経済が明確な悪影響を回避しながら債務削減を行うのは難しいとの見方を示しています。
上記に加え、2024年の世界株式市場には注目すべき2つの出来事がありました。
9. バフェット、大幅な株式売却を実施
バフェット率いる投資会社バークシャー・ハサウェイの現金準備額は、2024年初の1,680億ドルから9か月後には3,252億ドルに達し、過去最高を更新しました。同社が保有するアップル株は年初の9億500万株から3億株へと約3分の2減少しました。
2025年の展望
アナリストたちは、バフェットが2024年に大幅な株式売却を行った主な理由として、株価が過大評価されているとの認識があったと考えています。バフェットは、米国株が急騰する局面では資金を温存し、株式バブルの崩壊に備える傾向があります。この見解は、現在の米国株が「割高」である可能性を警戒すべきことを示唆しています。
10. ハンセン指数、9月に急騰の大反発
2024年9月、中国・香港の株式市場は急反発を見せ、ハンセン指数はわずか17営業日で17,000ポイント未満の水準から23,000ポイントへと急上昇しました。
この力強い反発の主な要因は、FRBの利下げや中国の預金準備率および政策金利の引き下げです。これにより市場予想が改善し、投資家の心理と市場流動性の向上が期待されました。
2025年の展望
アナリストは、ハンセン指数が底を脱した可能性が高いと見ています。2025年の香港株式市場のさらなる上昇を決定づけるのは、中国の財政政策の強度と経済状況であると指摘されています。
機会と課題が共存する中、リスク管理の重要性
2024年は挑戦と変化に満ちた一年でした。市場では2025年にグローバル経済が「ソフトランディング」を達成するとの期待が広がっていますが、トランプ大統領が経済の最大の変動要因となる可能性があります。
市場には多くの不確実性が存在するものの、それは同時に無限の可能性を秘めています。投資家にとって、どの出来事も危機であると同時に転機となり得ます。リスク管理を徹底した上で、マクロ経済の動向を注視し、最良の投資機会を掴むことが重要です。新しい年において、グローバル経済が新たな均衡を見出し、さらなる成長を実現することを期待しています。
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