実践トレーニング | 黄仁勋（ジェンスン・フアン）講演で続々“ネタばらし”！
NVIDIAとその保有銘柄の全貌から見える、次なるAIトレンドとは？
近頃、米国株のAI関連銘柄に再び活気が戻り、市場の熱気が高まっています。
AI算力の需要が爆発的に増える中、業界のトップであるNVIDIAの株価は年初の高値圏に戻り、一時は世界の時価総額ランキングの首位にも返り咲きました。AI関連株の甲骨文（ORCL）、ブロードコム（AVGO）なども相次いで史上最高値を更新しています。さらに、NVIDIAの保有銘柄も動きを見せており、データセンター構築のCoreWeave（CRWV）は、2025年6月16日時点で上場以来約290％の上昇を記録しています。
同時に、CEOである黄仁勋氏は頻繁に登壇し、会社の戦略アップデートに関する重要なメッセージを連続で発信しています。先週開催されたGTC（GPUテクノロジーカンファレンス）終了後、モルガン・スタンレーはNVIDIAに対する強気レポートを発表。新たな成長を見込んで目標株価を引き上げました。
本記事では、黄仁勋氏の最近の重要発言を振り返り、その“ネタばらし”となったNVIDIAの成長路線をまとめ、さらに、最新の投資ポートフォリオからAI業界の今後の動向を探ります。チップ設計、クラウドインフラ、医療ヘルスケアなど、多彩な分野にまたがるNVIDIA主導のAI革命がもたらす新潮流とは何か？その全貌に迫ります。
黄氏講演での“ネタばらし”、NVDAの次の一手は？
NVIDIA・CEOの黄仁勋氏は、最近の講演で最新の戦略や業界展望を次々に明かし、市場に大きな反響を呼んでいます。例えば先日のGTCで「量子コンピューティングは重要な転換点を迎えている」と発言し、関連株のQuantum Computing（QUBT）が6月11日に25％急騰しました。
今回のGTCでは、以下の戦略計画も公開されました：
- NVIDIAは複数の欧州企業と深い協業を計画。欧州に20カ所の“AIファクトリー”を新設し、2年以内にAI算力を10倍に増加させることを目標に掲げました。
- NVIDIAのチップは量子コンピューティングを支援し、cuQuantum量子計算アルゴリズムスタックがGrace Blackwell 200チップ上で高速動作可能に。
黄仁勋氏はAIの未来についても次のように展望しています：
- 伝統的なデータセンターは「AIファクトリー」へと進化。Blackwellアーキテクチャの新技術NVLinkは背面帯域幅130TB/sを誇り、インターネット全世界のピークトラフィックを大きく超えてAIの性能を数十倍押し上げるだろう。
- AIは認識や生成の段階を超え、「エージェントAI（Agentic AI）」の時代へ。これはタスクの理解・推論・計画・複雑な実行までこなす能力を持ち、物理的にはロボットとして具現化されるだろう。
モルガン・スタンレーが新戦略を後押し、NVIDIAの今後の見通しは？
GTC終了後、モルガン・スタンレーは最新レポートで、下半期の力強い加速を見込むだけでなく、新たな成長源として以下3つを挙げました：
- 欧州のAI投資の加速
- 量子コンピューティングの商用化促進
- 産業AIの実運用の広がり
同社の分析によると、3月のGTCで示された推論ワークロードは著しく加速しており、欧州市場の収益は2024年から2026年までに8倍以上、2026年には成長率が150％超に達すると予測しています。
同氏はNVIDIAの「オーバーウェイト（強気）」評価を維持し、目標株価を170ドルに設定。これは6月16日の終値から約17.5％の上昇余地を意味します。
また、6月以降は他の複数のウォール街大手もNVIDIAを高評価し、目標株価や評価を相次いで更新しています。
NVIDIAの投資版図を透視、AIの実用化はどこから？
黄仁勋氏の最近の発言には、AI業界の今後を示唆する示唆が多数含まれています。では、AI技術はどの分野で最初に広く実用化されるのか？NVIDIAの投資先企業を見ることで、その方向性が見えてきます。
2022年初頭、英伟达はAI分野に特化したベンチャーキャピタル部門“Nventures”を設立。先進的なAIスタートアップを積極的に発掘。資金面だけでなく技術支援やリソースの連携も重視しています。
そのため、NVIDIAの投資先はAIの主要応用分野を反映しており、AIが産業の隅々に浸透しつつあることが伺えます。現在の保有銘柄には、AI基盤技術、無人運転、AIによる医薬品開発など多彩な領域が含まれています。過去には音声AI（SoundHound AI）、自動配送ロボット（Serve Robotics）、医療支援（Nano X Imaging）などにも投資しましたが、現在はこれらからは撤退しています。
また、米国株以外に、ロシアの大手テック企業で「ロシア版Google」とも称されるYandex（YNDX）も保有しています。Yandexは機械学習を軸にしたスマートプロダクト開発に注力しています。
NVIDIAの保有株は多くが成長過程にあり、数十億ドル規模の企業が多いことから価格変動が激しい傾向にあります。保有銘柄の発表があると、市場での関連株の動きも激しくなります。今年2月に発表された保有情報では、SoundHound AIの全売却に伴い関連株が大きく下落。一方で、文遠知行（WeRide）は一気に80％超の急騰を見せました。
過去の動向からも、NVIDIAは保有株の増減を柔軟に行う戦略を取っており、新規投資も継続しています。AI業界の最新動向をつかみたい方は、NVIDIA関連のニュースを定期的にチェックし、Doo Primeが月曜日から木曜日に配信する「業界動向」も参考にしてください。
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